そして馬鹿な俺は、それを気にして帰れなくなっている。 人の涙があんなにもダメージを与えてくるものだとは知らなかった。 「……アホじゃん俺」 目の奥がカッと熱くなり瞼を閉じたとき。 「瑞希」 不意に聞こえた声と共に、ベンチの上に置いていた俺の左手が何かに包まれた。 「――!?……な、なんだよ陵か」 隣に座って俺の手を握ったのは陵だった。