俺も幸せだ、と言おうとしたとき、不意に脳内を横切っていったのは陵だった。 なんで陵の顔が出てくるんだよ。 おそらくは、陵とひかりの笑顔が似ていたからだ。 顔そのものは似てないけど、目尻の下がり具合といい、口角の形といい、そっくりだ。 こんなときに思い出すなんて最悪だ。 「瑞希?どうしたの?」 ハッとして我に返ると、ひかりが俺を見つめたまま首を傾げていた。 「……何でもない」 何かあるわけがないんだ。