中距離恋愛




「いや、別に同じ場所行くんだし」

「…あんた歩くの早いし、チャリじゃん。

普通にあたしを置いてけば先に着くのに」

「あー、そこまで考えなかったわ。

次は置いてく事にする」


誰も居ない。

広い昇降口に、あたし達の声だけが響いてる。

待っててくれるなんて優しさを見せといて、
それでもあたしの事は見ない。


「早くしろよー」


背中を向けて歩き出すから、つい。


「…っいて?!」


バッグを投げつけてしまったじゃないか。