「お互い受かってるといいねえ」

「だな」

「あーでも、放課後の勉強会も終わりなんだなって考えると寂しい!」

「定期テスト前にでもまたやればいいだろ」

「みんなでそれぞれの得意科目教え合う?

あたしねー、生物得意だよ! 理化系好き!」

「俺は社会系だな」

「秦は数学だよね! 礼奈は英語と国語系得意だったなあ」

「ははっ、めっちゃバランスいいじゃん!」


普通に喋ってるけど、やっぱりどこか普通じゃない。


「…あ、礼奈に連絡しとこー」


パーカのポケットを漁って、
携帯が無い事に気づいた。


「…ごめん真都、忘れ物取って来るから先行ってて」

「おー。わかった」


階段を上るあたしと、下りる真都。

教室に行って、自分の席に行く。