「ほらほら、真都くん落ち着いて。直も!」

「「落ち着いてるし!!」」

「ね、真都くん! 直かわいいでしょ?」


礼奈があたしの後ろに立って、肩に手を置く。


「かわいいとかより、直に見えない」

「失礼な!!」

「なーお」


礼奈に視線で「だめ」と諭されて、
渋々口を噤んだ。


「まあそうだよな。寝癖は直さないしがさつだし、

そんな直が急にこんな見た目だけ女になったらビビるよな」

「秦!! な!! そうだよな!!」

「でも、直だって女だろ。これが普通なんじゃないの」


秦のその言葉に、真都は黙りこんで。