スイッチが入ってしまった様子の礼奈は、
あたしの言う事なんてまるでシカト。

だからもはやされるがまま。


「メイクくらいすればいいのにって、ずっと思ってたの!

やっぱり少しするだけで全然違うよ!ほら、見てっ」


半ば無理矢理化粧をされ、
鏡を向けられる。


「…化粧怖い」

「マスカラもう少し薄くてもよかったかなあ。

これ一式あげるね!明日にでもしてきてよっ」


「使わないから」という化粧道具一式と
紺色のカーデを貰い、礼奈の家を後にした。


「…早起き…できるかなあ…」


不安は、それだけ。