「秦って本当頭いいよねえ。何で?」

「シンは努力家だから。本当ならもっと上の高校行けたのに、

大学でいい所に行けば高校なんてどこでもいいからって

あたしに合わせてレベル落としてくれたの」

「そうなの?!」


どんだけ溺愛してるんだと、
改めて秦の事が少し怖くなる。


「あ、でもね、うちの高校って成績トップの生徒の授業料、

全額免除してるでしょ?それも狙いだったみたい。

シンの家って母子家庭で、学費の事で迷惑かけたくないからって」

「何その泣ける話…」


怖いとか言ってごめん秦、あんたいい奴だよ。


「高校3年間学費免除だったら、大学の資金貯めやすいでしょ?

でも勉強しないと元も子もないって、週3くらいでバイトもしてるの」


「シンは本当に凄いんだあ」って言う礼奈の顔から、
本当に秦の事が好きなんだとわかった。