『14年間も一緒にいて私の何を見てきたの?』



頭の中で遥の声が響く



俺は馬鹿だ



絶対に言っちゃいけない事言ったんだ




ごめん



今更そんな事言っても遅いか




確かに1年前



「遥は、俺の大切な人だから」



こう言った



そうしたら、遥はすごく喜んで微笑んでいたっけ




なのに、なのに



千春にもそんな事言うなんて




俺はうそつきだ



「もう、俺にだって分かんねんだよっ・・。」



千春と付き合い始めてから



みんなから



明るくなったとか



無愛想がなくていいとか




近づいてくる奴が増えた




遥は昔から、



無愛想な俺をかばったり




一緒にいてくれたり




ずっと優しかった




これからも




俺の右側は




遥だけだと思ってた




だけど




もう右側には遥の姿はなくて




そうしたのは




俺なのに




寂しくて




切なくて




苦しくなる




もしも



もう一度



右側に来てくれるなら




俺は




なんだってする



もう




自分の気持ちに



嘘はつけない



遥の中の俺が



“うそつき”のままなんて




絶対に嫌だから