Wデートの待ち合わせ場所



2人共もう、10分の遅刻




「遥~!お待たせ」


「すっすいません」


のんきな龍ちゃんと



ビクビクしてる千春ちゃん




「遅いんだけど、10分遅刻~!」



凛くんが笑ってごまかす




ただ、私は不機嫌オーラ全開



「遥先輩?」


“遥・・・先輩”?


「どうしたんですか?」


私の腕に触れようとする千春ちゃん



((パシッ



「やめてよ!触らないで!」


おもわず千春ちゃんの手を叩いた


「いたっ!」


「千春、大丈夫か?」


何で、千春ちゃんばっかりなの?


「遥って呼んでいいのは、龍ちゃんだけなの」


そう言うと


「ごめんなさい、私・・私?」


泣き出す千春ちゃん


「遥、お前やりすぎ」


「龍ちゃん・・・。」


「呼び方くらいで、俺の大切な人傷つけんな!」


“大切な人”


『遥は、俺の大切な人だから』


昔こう言ってくれたよね?



もう、龍ちゃんは忘れちゃったの?



「龍ちゃんは、何にもわかってないんだね」



「は?」



「14年間も一緒にいて私の何を見てきたの?」



龍ちゃんは14年間何を思って私と一緒にいたの?




私が時間にルーズなのは嫌いってしってるでしょ?




呼び方くらい?





龍ちゃんには“くらい”だろうけど




私は違うの“くらい”で片付けられるくらい




簡単じゃない




この呼び方は14年間




私と龍ちゃんだけの




特別な呼び方なのに




「2人で勝手に恋愛するのはいいけど」



「私の大事な14年間も一緒に壊していかないで!」




走って走って



家に駆け込んで



ベットに飛び込んだ



「壊さないでよ」



消え入りそうな声で呟く



もうやめてよ



龍ちゃん