あたしだって……すごく複雑。






彼氏の拓也くんの死んだ兄を好きになり、




その兄が愛した人を励まし、





拓也くんの彼女として今ここにいる……。






あたしはどこで、間違ってしまったんだろう………。





どこで、歯車が狂い始めたんだろう……?






それはきっと、




真斗と出会ってしまった瞬間であろう。





「…………結香ちゃん、兄貴に会いたいな。」





「え?」





「俺は霊感とかないけど、兄貴がいる所に連れていってくれない?」





拓也くんの綺麗な顔が、あたしを覗いた。






「……………うん。あたしが通訳になる。」






「…………ありがとう。」






拓也くんの顔が美しく微笑んだ矢先、




あたしのアパートが視界に入った。







ユーレイがいる、あたしの家が━━━━。