「今日は楽しかった。」
「おぅ!気をつけて帰れよ!」
「目の前だし(笑)」
拓也くんが、あたしの家の前まで送ってくれた。
だから、気をつけて帰れよって……実際は階段を上れば我が家なのだ。
「拓也くん、気をつけて。」
「おぅ!じゃな!」
「バイバイ」
拓也くんの後ろ姿が、小さくなっていく。
あたしは、彼が見えなくなるまでその場で突っ立っていた。
そして、階段を上り、鍵を開ける。
真っ暗な部屋。
やっぱりお父さんたちは帰ってきてない。
あたしはテレビをつけた。
一気に部屋のなかに音が流れる。
それは、
毎日つけている、
バラエティー番組だ━━━━………。


