すっかり暗くなった空を、クリスマスのイルミネーションが明るく照らす。
「そろそろ、あれ乗って帰るか。」
「そだね……」
あたしたちは、観覧車に乗った。
観覧車の中は、外より少し暖かい。
あたしと拓也くんは、向かい合って座った。
「…………綺麗だな……」
拓也くんが、小さく呟く。
少し高くなりはじめた観覧車からの景色。
彼は、それを見ながら儚い表情で微笑む。
外の景色なんかより、断然綺麗だった……
「うん、すごく綺麗…………」
拓也くんが、綺麗すぎて儚い。
すごく………真斗に似てる。
観覧車が、一番高くなった。
拓也くんが、ぱっとあたしを見つめる。
あたしは、ドキドキが止まらない。
「……………俺今日、おかしいんだ」
「…………え?」
それ、前にも………。
「…………俺、どうかしてる。」
「………………拓也くん、」
「もう…………我慢できなくなってんだ。」
我慢……………?
「…………俺、結香が大好きだ。」
「……………あたしも」
「……………」
拓也くんの顔が、色っぽくて、顔が熱い…。
消えてしまいそうなくらい、
美しい…………。
「………………いい?」
……………拓也くんが、何を言っているのかは、なんとなく分かる。
「……………いいよ……」


