『………………俺と拓也は、やっぱり似てるなって。』






………真斗が、少しだけ笑顔を見せた。
  





「……………うん、似てるよ。………………………そっくり…」







似すぎて……………行動も似すぎて…………





拓也くんも真斗みたいに………





自分を犠牲にして…………






……………死んじゃうんじゃないかって……








「…………自分を犠牲にするところとか……………

そんなのいらないのに……………」







あぁ……………涙が溢れる。




何に泣いてるのかは、はっきりとよく分からない。






拓也くんのことだというのは明確だけど…





悲しいのか、悔しいのか、切ないのか……






よく分からない……………。








『…………拓也は……強いよ。

ちゃんと、ゆいちゃんを守ってくれた。


…………今の俺には到底できない。』







「………………………グスッ………ハァ……」







『……………拓也は死なないよ。』






「…………………え?」






あたしは顔を上げる。






『…………あいつはお前を置いて先に逝っちまうような、

中途半端なことはしない。』






「…………………分かるの?」







『…………未来はわかんねぇけど、

拓也のことは何でも分かってるつもりだよ。


一応、17年間“兄貴”やってきてっから。』









拓也くんは………生きられる……。





真斗が言うと………本当のことのように聞こえて………



なんだか安心した。








『………でも俺は今まで…………

自分の気持ちを分かっていなかった………。


拓也のおかげでやっと気付けたんだ……』







「…………………何?」