「結香ちゃん!!!」 玄関から、聞き覚えのある声が! 一瞬にして、男の手が首から離れた。 激しく咳き込む。 そんな中、誰かがあたしの体を優しく包んでくれた。 …………………「たく……や……くん」 彼は、尻餅をついた男から、あたしを隠すように、自分を盾にした。 それは…………あたしを守ってくれる騎士のようで…………。 彼はしゃがみこんだまま、あたしを後ろに隠し、 男の動きを観察した。 でも……………どうして拓也くんがここに……? 考えても、パニクった頭では理屈的な答えは出て来なかった。