☆結香side★
拓也くんは、あたしの手を離すことはなかった。
「まず何乗る?結香ちゃん!」
「えっ……あたしジェットコースター未経験」
「まじか!なら乗ろうぜ!」
「ちょちょちょ!ちょっと待って!」
「ん?」
早速ジェットコースターに向かって歩き出した拓也くんの腕を、
引っ張った。
拓也くん、すごく楽しそうだけどさ、
「あれ、怖い?」
「………………ふふ………ぜ~んぜん?
チャリで坂道下るようなもんだよ。」
ほ、ほんとかな~、
でも、それくらいなら大丈夫かも。
あたしはにやけてる拓也くんに気づきもせず、
まんまと騙された。
「アハハハハハハ!
結香ちゃん、顔死んでる!」
「こ、怖い、」
笑顔が作れないぐらい、怖かった。
拓也くんは、平気で両手を離して笑ってたのに。
でもなんだか…………楽しいかも。


