向こうから来る人の群れの間を通り過ぎた。 その時、 「遥…汰…?」 見覚えのある… いや、もう忘れることは無いだろうとも言える人物と目が合った気がした。 私は単なる思い過ごしかと思った。 …そう思おうとした。 けれど、後ろから聞こえる声に私はつい振り向いてしまった。 「遥汰!!」 「琉里華!!」