公園から出た先にある、駅前の大きな通りをふたり歩く。洸ちゃんは私の腕を引っ張ったまま。
「洸ちゃん、何いきなり……ていうか仕事は?」
「抜け出してきた。それより、何だよあいつ。『先生』って言ってたけど、塾の生徒か?」
「え?う、うん……高校生のコースの子で」
「その生徒とデート?散々好きだって言ってすぐそうやってなびくのかよ」
「なっ……」
呆れたようなその言葉に、思わず私は道の真ん中で足を止める。
「洸ちゃんのこと……諦めようと思ったんだもん」
「え……?」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…