「っ……、」
強く引っ張る力に、唇が触れかけたその瞬間。
「無理矢理しようとしてる時点で、幸せには出来ねぇだろ」
その言葉と共に、後ろから柳町くんの顔を抑え込む手。
「……!」
それは仕事中らしい格好の洸ちゃんの手で、唖然とするうちに柳町くんは引き離された。
「こっ……洸ちゃん!?」
「は…!?誰だよ!」
「誰でもいいだろ。離れろ」
「なんだとっ……」
驚きと怒りで荒々しい声を上げる彼に、洸ちゃんはいつもの落ち着いた様子のまま。
「行くぞ、茜」
「えっ…洸ちゃん、ちょっと待って…」
「それと、押すばっかりじゃ恋愛は上手く行かないことを覚えておくんだな。クソガキ」
「っ……」
そして洸ちゃんはそれ以上柳町くんと話をすることもなく、私の腕を引っ張り公園を出て行く。



