洸ちゃんのことしか考えてなかったし、それ以外の人となんて想像したこともなかった。 だからこそ、不思議。 今こうして洸ちゃん以外の人と手をつないで、街を歩いていること。 「あっ、ゲーセン寄ろ!」 「私太鼓のやつ好き」 「じゃあ勝負!」 繋ぐ手は大きく、見上げる顔の位置は高い。表情は笑顔で、会話は途切れることなく……全てが、違う。 ……このまま、彼を選んだ方が幸せなのかな。 私にとっても洸ちゃんにとっても、その方が。