「そもそもデートって、どこ行くの?」
「え?普通に買い物したり、ブラブラしたり……デートくらいしたことあるでしょ?」
デートくらい、と言われるものの、なにをどう思い出してみても、それらしい記憶はない。
「……ない」
「え!?マジで!?」
「うん」
私の答えに驚きを見せるものの、柳町くんは次の瞬間にはまたぱぁっと笑顔を見せた。
「んじゃ初デートが俺ってわけだ?なら一層楽しいデートにしよーっと」
そうして向かうのは、街の中心。お店やゲームセンターなど、様々なものが並ぶ大通り。
思えば私、こうして異性と出かけたりってしたことない。
付き合ったこともキスしたことも、それ以上も、ない。
だっていつも、洸ちゃんが居たから。



