「…どう見ても、こすったキズだろ」
「え!?」
「なっ!?」
そう、それはどう見てもゴミがぶつかってできたような物ではなく、壁か何かにこすった時に出来たのであろうキズだった。
「普通に考えていくらごみ袋が勢いよくぶつかってもこんなキズにはならないし…つーかこんなチビがこんなでかい袋それだけの力で振り回せるとでも?」
「なっ!」
「どこかでこすって出来たキズを高校生になすりつけて八つ当たり?カッコ悪。やめといた方がいいんじゃないすか、そういうの」
「んだとっ…」
その言葉が図星だったのか、男はみるみるうちに顔を真っ赤にさせて、腕を思い切り振り上げ俺を殴りつけた。
咄嗟のこと、更に後ろには夏菜がいる。そう思うと避けることは出来ず、その場にはゴッ!と重い音が響く。



