「ほらよ」
「わーい、ありがとー」
夏菜はそれを受け取り、客足の落ち着いた店内のカウンター席に座ると嬉しそうに一口飲む。
「うんっ、やっぱり大地のココアが一番美味しい!甘くてあんまり熱くなくて、飲みやすい!」
「…そりゃお前が作る度に文句言って作り直しさせるからだろうが」
「へへ、ありがとー」
そう言って飲む度にこぼされる、その笑顔。表情一つで、心の中はいっぱいになる。
「…一杯1500円な」
「え!?ぼったくり!?」
生意気、クソガキ、うるさいバカ。
そんな所も全て、笑顔ひとつで可愛く思えてしまうんだ。



