「用事は済んだ?」

「うん。あ、大地!ココア飲みたいっ」

「…らしいっすよ、和馬さん」

「和馬くんじゃなくて!大地のココア!」

「らしいですよ、大地クン」

「誰が作っても変わらないっての…」



ワガママを言うようにせがんで店の方へと俺を引っ張る夏菜に、休憩中だというのに仕方なく俺はカウンターの中でココアを一杯作り出す。



…夏菜のココアは、ミルク多めで生クリームも入れて…。

頭の中で作り方を思い浮かべながら、カップの中に注がれたのは、甘い香りがたつホットココア。