その瞬間私は席へと駆け寄り、洸ちゃんの空いていた右腕に抱きついてぐいっと引っ張った。 「なっ……茜!?」 「仕事中!」 「……はぁ?誰、この子」 「洸ちゃん、仕事中ですから!邪魔しないであげて!」 「……」 確かに私だって、沢山話したいとか思うしずっと自分の席に居てほしいとも思う。 けど彼が懸命に働くのを邪魔したり、“お客”って立場を利用して絡むのは、正しくないと思うから。 「洸くん、誰それ」 「彼女……なわけないよね?妹?」 「なっ!」