その女子高校生、逢坂夏菜は近くの高校に通う高校3年。
うちの店の店長の、娘だ。
体つきは小さくて、顔もなかなか悪くはないと思う。けど、気は強いし減らず口だし…非常に可愛げのない奴だ。
「…クソガキ」
椅子に座り直して呟く俺に、和馬さんのその目はニヤと笑う。
「けど、嫌いじゃないくせに♪」
「……」
その言葉に深い意味があるのかどうかはさておき…まぁ別に、夏菜のことは嫌いとかではない。
生意気だとかうるさいとか、背が小さいとか、子供みたいな手だとか、近付くといい匂いがするとか…って待て俺。何考えてんだ。
とにかく、嫌いではない。ただ少し、ムカつくだけ。
そう頭の中でごちゃごちゃと考えているうちに、その姿は奥からこちらへと戻ってくる。



