「ひっかかった!」

「……」



こんな幼稚なひっかけをして笑うのは、白いセーターに赤いリボン、紺のプリーツスカートという格好の一人の女子高校生。

その動きに合わせて、ボブヘアの毛先が揺れる。



「…何すんだよクソガキ」

「いだだだ!」



生意気なその笑みに俺は、イライラと両頬を引っ張った。



「何するのバカ!痛い!」

「うるせぇクソガキ。バカはお前だ」

「バカって言う方がバカなんですぅー!」

「じゃあバカはお前ってことだな」

「はいはい、揉めないの。なっちゃん、店長なら仕事部屋にいるよ」



顔を合わせては言い合いを始めるものの、宥めるように言う和馬さんにそいつは店長がいる奥の部屋へと入って行った。