「あっ、じゃあさ!今度の塾の試験でいい点取れたらデートしてよ!」
「え?」
「いいじゃん、ご褒美。その方が絶対やる気出るし」
そんな彼から提案されたのは、まさかの『賭け』。自信があるのか、柳町くんは少し幼い顔をにやりとさせる。
「…じゃあ、英語で98点以上取れたらね」
「98!?うわっ鬼!」
「試験内容難しくするように担当の先生に頼んでおくから」
「よしきた!なら100点取ってやるから!約束だからね!」
「はいはい」
「分かったから帰りなさい」と、流すようにひらひらと手を振る私に、彼は気合を入れ帰って行く。
……変な約束しちゃった。
けどまぁ、98点なんて取れるわけないだろうし……いっか。これで成績が上がれば悪いことはないし。
そう考え、私も荷物をまとめると、洸ちゃんのいるお店へ向かい歩き出した。



