「うん、もう終わったから帰るよ」 「じゃあ帰りがてらデートしようよ」 「しません。子供は早く帰りなさい」 「えー?子供って言っても3つ4つしか変わらないじゃん!」 「だーめ!高校生の夜間外出は禁止です。はい、帰る帰る!」 高校3年生ともなればもう立派な男性なのか、彼はいつもこうして私をからかう。その度こうしてあしらってはいるんだけれど……。 ってもしかして、洸ちゃんが私に対する気持ちもこんな感じ? はっと気付いて曇る気持ちに、私はぐいぐいと柳町くんの背中を押し建物から出す。