翼を広げて

翼が私を抱きしめた。


「翼…」


「…俺…俺…美華が死んだらどうしようって…そしたら、俺…生きる意味が無くなるって…美華がいない毎日…考えられないって…思ってた…」


涙が溢れてきた。


「……美華…無事でよかった…」


もう、止まらない…


誰にも止められない…


「翼…ありがとう…」


そうして、病室のベッドの上で、ファーストキスをした。