「‥‥‥‥ここ、か」 目の前にあるのは、古風な感じの建物 目立つわけでもないのに自分の存在を見せつけるかのようにその建物はあった flat――と書かれた板の横には、OPEN と書いてある小さな看板がかけられていた。 さっきから鳴り止まない、心臓! 落ち着け 落ち着くんだ‥‥‥‥! 気を取り直してドアの取手に手をかけた。