「いつか決断しなければならない時がきたら、そのとき考えよう。それまでは」 「このままで……」 私の胸に顔を埋めてきた珠貴を両手で抱え込んだ。 伝わる鼓動は穏やかに整い、安心してすべてを預けられた心地良さを感じた。 俯きかけた顔をとらえ深く唇を合わせると、鎮まりかけた体内の熱が ふたたび広がってきた。 私と珠貴の蜜月は始まったばかりだった。