学校の門はとても立派でどこかのお屋敷と間違えそうだった。
門をくぐろうとすると先生らしき人に声をかけられた。
「西岡葵さんですね?」
先生らしき人は、ニコッと微笑んで言った。
「…はいっ!」
「今が何分か分かりますか?」
顔は笑っているのに目は笑っていない。
「…遅刻ですよね。」
「分かっているなら明日から気をつけるように」
そういうと、もう入学式には間に合わないからと言って会議室へ通された。
「俺は、赤城陵です。一応、葵さんのクラスの副担です。よろしくね?」
この人はやっぱり先生だった。
黒縁眼鏡がよく似合っている。