「あの~、よかったら、アンケートおねがいします」

いつのまにか魔女のひとりが私たちの後ろにいて、瞬也に紙とペンを渡した。

私も受け取ろうとすると、

「あなたはいいわ。もう預かっているから。」

なんのことかわからない。

瞬也の紙を覗きこむと、

『Q、あなたの叶えたい願いはなんですか?』

どっかで見たような質問だ。

「これ、自習でやらなかった?」

「これを? 学校で?」

ありえないという顔をして背を向けられた。

「見るなよ」

また雰囲気がまずくなった。


210510-1