いつだったか、自分と同じくらいちいさな生きものに会った。

ひとりで、じっとこちらを見ていた。

なぜだかキモチが伝わってきて……

あとで知ったのは、それが幼いキタキツネだったということだ。

おかあさん。

もうすぐおとうとが生まれるのに。

おかあさんが痩せすぎているんだ。

ボクには助けてあげられないんだ。

たすけて。

助けて。


210508-1