「はっ、はー⁈まぢで⁈沙羅と仁が兄妹で、仁がシスコン⁉」
龍はまだ状況が飲み込めていないようだった。
「あっ、俺先生に呼ばれてたんだった。じゃあな!沙羅!」
と言って、仁お兄ちゃんはあたしに抱きついてきた。
「うん!いってらっしゃーい」
仁お兄ちゃん、友達とあたしの前では、態度がガラッと変わるんだよね。
「あの、沙羅と仁って血のつながった兄妹?」
「ううん。違うよ。血は繋がってない」
あたしがそう言うと、龍は難しい顔をした。
「龍?どうかした?」
すると龍は考えることをやめ、こちらに向き直った。
「いや。なんでもない」
あたしは、知る由もなかったんだ。龍が考えている、恐ろしいことを…