あれ?そうだっけ?
あたし、クラスの名前全然覚えてないからわかんないや!
「あー、そうだったな。海堂仁のほうだ。」
え。海堂仁?
「じゃぁ、海堂。忘れるなよー」
がらがら。
先生がドアを閉めた。

「ねぇねぇ、海堂仁君ってかっこいいよね!」
和恵があたしの席に近づいていってきた。
「仁、お兄ちゃん?」
あたしは誰にも聞こえないように、小さな声で言った。