【side沙羅】
あたしたちが話していると、少し後ろにいた女の子がいつのまにか龍君たちの前にきていた。
やだ!あたしが彼女なのに!
あたしはそう思って、龍君の前に立ちはだかってしまった。
「龍君に触らないで!龍君はあたしの彼氏だから!」
あたしはクラス中に聞こえる声で言った。
みんなが呆然と立ち尽くしている。
少しして龍君が「そういうことなんで、俺に話しかけないで?」
龍君がそう言った瞬間、女の子たちは「はい…」と顔を赤らめながら去って行った。
あたしは急に恥ずかしくなって龍君にしがみついた。やばい。少し泣いちゃったかもしれない。