天然鈍感美少女と甘々裏表王子

【side沙羅】
「D組って確かこの辺集合だったよね…」


海で遊んでいる集団の中とは少し外れて、砂場にいる桜井君を見つけた。


「桜井君!!」


あたしがそう呼ぶと、桜井君は振り返りにこりと笑い、近づいてきた。


…なんか、怖い……いつもの桜井君じゃないみたい…


「どうしました?石原さ…どうしたんですかその目!?なんで赤く…あいつですか?」


「え、っ?きゅ、急にどうした、の?」


肩を痛いぐらいに強く掴まれ、思わずぎゅっと目を瞑ると、「こっちに来て」と腕を引かれた。