天然鈍感美少女と甘々裏表王子

「いや、持ってない…」


あ…そういえば…あの時……


「バスの、中…?」


俺がそう呟くと、沙羅は急に走り出した。


「おい、沙羅⁉︎どこ行くんだよ⁉︎昨日のバス、もうここには…っ「じゃあ、どうすればいいのっ⁉︎あたしが指輪を外さなかったら…」


とっさに手首を掴むと、涙を浮かべている沙羅が振り返った。


「りゅ、龍がっ、くれた、指輪なのに…っごめ、ごめんなさ…っほんとに、ごめ…っ」


「大丈夫、大丈夫だから。もう泣くな。あれは婚約指輪なんだし、結婚指輪はまた別にあるから」