天然鈍感美少女と甘々裏表王子

龍は掴んでいたあたしの手を離し、部屋へと戻っていった。


「桜井君!急ぎの用ってどうしたの?」


「あ…すみません。それ、嘘なんです」


え?


「石原さん、困っていたように見えたので…実行委員を口実に…」


「そう、なんだ…。心配してくれたのは嬉しいんだけど、あたし、別に困っては…「でも俺には困っているように見えたので」


ニコリと笑いながら言う桜井君は初めて会ったときの笑顔とは違った気がした。