急に人が倒れた音がした。

あたしは何が起こったのか理解不能だった。
「おい!沙羅!」
そのとき、龍の声がした。
龍たちが戻って来たのだ。
「龍!」
「大丈夫か?って、大丈夫か」
「え?あっ、そう言えば、2人組の男の人たちがあたしに話しかけて来たの。それで、その2人があたしの上着を取ったら、急にばたって倒れちゃったの。なんでかな?」
龍ははーとため息をついた。
「沙羅に説明してもわかんないから説明しない」
龍がそう言った途端、和恵と舞があたしたちのところに戻ってきた。
和恵と舞もなぜだか状況がわかったようだった。