スタンドには、
龍太郎と智也君、
琢磨の姿があった。

「勝ったよ!」

私は、いろいろ気まずかったので、

琢磨の元に行った。

「見てたよ、頑張ってたな」

琢磨はそう言って、

私の頭を撫でた。

「おーい!」

「何してはるんすか!!」

「あ、悪ぃ…」

「…」

う…

気まずい…。

「おい、
そろそろソフトの決勝じゃね?」

「あ、本当だ」

「触らんといて下さいね!」

「わかったから、早く行けよ」

「あ、龍太郎!」

「ん…?」

「具合はもう大丈夫なの?」


「うん。
みんなが勝ってくれたから、次も勝って…」

「龍太郎!時間」

「おう!
気まずいとか思わなくていいかんな、応援来いよ!」
「うん」

「龍太郎には、全てお見通しみたいだな」

「あ、さっきはかわしてくれてありがとう」

「別に。
美玲が困ってたから…
でも、あいつさ、本気だから、真剣に考えてやって」
「え?」

「龍は、こういうの嫌がるかもしれないけど、
教室でいつも美玲の話してるよ、あいつ。」

「…」

「それに、
あいつさ、凄くいいやつだから、幸せにしてくれると思うよ」

「うん…」