話が終わって、
グランドにむかう途中。
「美玲!」
「智也君?
どうしたの?」
まだ
制服姿の智也君に呼ばれた。
「あんな、
話があんねん」
「うん。どうしたの?」
「俺、龍太郎さんとな、勝負することにしたねん」
「へぇ…」
「真面目に聞いてーな!
そんで、龍太郎さんに勝ったら…、
俺と付きおうてくれ!」
「え、はい!?」
「俺が勝ったら―…」
「龍太郎!?」
目の前に、
今度は、龍太郎がやってきた。
「俺の彼女になってほしい」
「え…」
「頑張るから、
見に来てな!」
「あ、はい…」
「美玲、俺本気だから。
この気持ち、ちゃんと証明するから、応援しにこいよ。」
「う…ん」
「ぷっ」
「え!?何!?」
「あんま考えすぎんな。
美玲も頑張れよ」
そう言って、
龍太郎は私の頭を優しく撫でて、去っていった。