「じゃあ、終わったら着替えて体育館に集合な。
遅れるなよ」

『はーい！』

「あ、神崎は終わったら着替えてからでいいから、職員室に来てくれ」

「はい」








ガラガラッ

「失礼します」

「あぁ、こっちこっち」

「はい」

通されたのは、
職員室から続く一室。

「座って」

「はい」

「１週間前、学校休んだよな」

「はい」

「龍太郎も休んだんだけど、もしかして何か関係ある？」


「あ、２人でいました…」
「そっかそっか。
いやなんかさ、家に帰ったら、気持ち悪いくらい機嫌よくてさ」

「はぁ」

「あいつさ、小さい頃から、本当に野球好きでさ。
女の子に入れ込むっていうか、夢中になるなんていうこと、あまりなかったんだ。」


あ…だから、
プレゼントするの初めてだって言ってたのか…。


「だから、どうか龍太郎のこと頼んだぞ」

「でも、私…」

「龍太郎の彼女になれとは、言わない。ただ、側で支えてやってくれ。
たぶん、それができるのは、今あいつが興味を持っている神崎しかいないと思うから」


先生は、
みたことのないくらい、真剣な顔で私を見ていた。

「はい」

私がそう言うと、

先生は、

「ありがとう」

と言って、笑った。



あ、やっぱり兄弟なんだ…先生の笑顔は、
驚くほど龍太郎にそっくりで、

思わず、そう思ってしまった。