学園アイドルRTD

あれ…?

「どっか、悪いんですか?」

「カッコ悪いから、本当は言いたくないんだけど、熱があるんだ」

「熱!?大丈夫なんですか?」

「うん、気にしないで。

よし、ぱぱっと説明するから、しっかり聞いて覚えろよ」

「はい!」

龍太郎さんは、
ぱぱっと、と言いながらも、凄く丁寧に教えてくれた。

「美玲!さっそく手伝ってもらってもいいか?」

「あ、はい!」

「頑張ってこい!」

「はい!」

そうして、龍太郎さんに背を向けたとたんだった、
ドサッ

龍太郎さんが倒れたのは…。

「龍太郎!」





龍太郎side

目が覚めると、
俺は、保健室のベッドの上にいた。

「起きた?」

「あ、はい…」

保健医の矢野光
通称、矢野っちが、声をかけた。

「あなた、熱があったのに部活に出てたそうじゃない」

「はい」

「あなたが、野球を好きなのは充分知ってるけど、もう少し自分の体大事にしてあげなさいよ?」

「はい」

「それじゃなくても、あなたは熱が上がりやすい体質なんだから」

「…」

「連れ添いに来た子」

ガバッ

「美玲!?」

「そうそう、美玲さん。
心配そうな顔して、さっきまでずっと側にいたのよ」

「…」

「家に帰したけど、早く元気になって、その姿見せてあげなさいね」

「はい…」

倒れた瞬間、
あいつ、俺のこと、初めて呼び捨てで呼んだ気がした。

さっきまで、ずっと手を握っててくれたのだろう、
まだ右手にかすかに熱を感じてる…

まだ、感触が残ってる…



っしゃ、
明日には、完全復活してやるぜ!

「お兄さん呼んで帰してもらってもいい?」

「はい、お願いします」

「じゃあ、もう少し寝てて」

「はい」


あー、
明日が待ち遠しい!