『お願いしまーす!』
そんな話を聞いているうちにグランドに着いて、
見学が始まった。
「1年生諸君、
そして、美玲、ようこそ野球部へ。
俺は、主将の前田大也だ」
大也さん、本当にキャプテンなんだ…。
「まず、始めに、今、軽い気持ちでここにいるやつは、今すぐ出ていってくれ」
はい!?
「美玲も、軽い気持ちなら、出ていってくれ。
俺たちは、本気で甲子園を目指してる。
だから、マジじゃないやつは、邪魔なんだ」
すると、
驚くことに、15人のうち、3人がグランドから出ていった。
「後は?いない?」
『はい!』
「よし、じゃあ、じっくり見学していってくれ」
『はい!』
「美玲!ちょっと…」
「はい」
「さっきはごめんな」
「いえいえ」
「最近、よくいるんだよ。軽い気持ちで入部してくる奴等が。
実際、そいつらのせいで甲子園を逃してるって言っても、過言じゃないくらいだ。」
「え?」
「ここ2年、行けてないんだ。
そういう奴等が、邪魔して」
「…」
「でも、今年の奴等は、大丈夫そうだな。」
「そうなんですか?」
「うん。
もし、そういう浮わついたやつとかいたら、速攻殴っていいから」
「あ、はい!」
「これから、よろしくな」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「うん。龍!」
「はい!」
「美玲に、マネージャーの仕事教えてやって」
「はい」

