朝―

目を開けると、

目の前には、まだ寝息をたててぐっすり眠る、

龍の姿があった。

手は、

私の手をガッチリつかんでいる。


だから私は、

龍に気づかれないように観察を始めた。

睫毛…長いな〜

私いつもこの唇と、キスしてるんだ…。

この口に、

「好きだ」って、言わせたんだ…。

そう考えると、

凄く恥ずかしくなった。


そして私は、

繋がれていない方の手で、龍の頬に触れた。

温かい…

「カッコいいな〜…」

私は思わず小声でそう呟いた。

すると

「そんなに見られると、恥ずいんだけど」

と言って、

龍の目が開いた。

「お、起きてたの!?」

「まーね」

「いっいつから?」

「うーん…美玲が起きる5分くらい前かな」

「そうなの!?

騙してたの〜?酷い…。」
「わりぃわりぃ。

でも、」

「ん?」

「いーな、こういうのも」
「え?」

ぐいっ

「きゃっ」

私は、龍の胸におさまった。

「朝起きると、隣に体温を感じてるのって、

なんか、幸せ…」

そう照れながら話す龍がかわいくて、

私は

「大好き!」

と言って、

龍を抱きしめ返した。