「あのね、私龍太郎と一時期付き合ってたの」

「え…」

「龍太郎ってさ、

一見クールそうなのに、あれの時とか、

キスは情熱的だよね〜。

何より、野球してる眼差しにキュンッてくるよね」

この人…

何言ってるの…?

龍太郎と付き合ってた?

嘘でしょ…。

「な、何が言いたいんですか…」

「別に…

龍太郎と仲良くしてるみたいだからさ」

「そうですか。

私は早く帰って勉強しないといけないので、

これで失礼します」


私はいてもたってもいられなくなって、

逃げるように足早にその場を去った。



やっぱり、龍太郎の言うことは、嘘だったんだ…。

せっかく信じてみようかなって…

思い始めてたのにな…。