学園アイドルRTD

「美玲?」

「…」

「美玲!」

「わ!」

本に夢中になりすぎてて、龍太郎が入ってきたことに、気がつかなかった。

「あ、ごめん」

「本読んでたの?

面白いの置いてあった?」
「うん!

これ、凄く面白い!

この人って、プロ野球選手だよね?」

「うん」

「凄く活躍してるから、苦労なんかしたことないって、思ってたから、

凄く面白いよ!」

「はは…。さすが美玲!」
「え?」

「素人はこの本の良さなんか、わかんねーからな(笑)」

「あはは…」

「はい。カルピス作ってきたから、飲めよ」

「ありがとう」

「貸そうか、その本」

「いいの!?」

「美玲にだったらいーよ」
「ありがと!」

「おう」

「龍太郎…」

「ん?」

「私も大也みたいに、龍って、呼んでもいい?」

「いいよ」

「やった♪」

「…お風呂とか大丈夫?」
「う…ん」

「じゃあ、始めさせていただきます」

「はは…また棒読み(笑)」
「うっせ」

「…優しくして…ね?」

「わかってる」

その会話の後、

長い長いキスが始まり、

龍は私の感覚を麻痺させていった。