チームは、
すっかり勢いずいた。
次勝てば、準決勝となった夜。
いつものようにミーティングをしていると、
1人だけ真っ青な顔で必死に話を聞いている人が、
目に入った。
―龍太郎だ。
最近はあまり見なかったから安心してたけど、
龍太郎は、確実に具合が悪いという顔をしていた。
「龍太郎!」
どうしても気になった私は、ミーティング直後、
龍太郎を呼び止めた。
「大丈夫?
具合悪いんじゃ…」
「え?
…何言ってんだよ、大丈夫に、決まってんだろ…」
嘘だ…。
直感的にそう感じた。
だって、
フラフラしてるし、
立ってるの辛そうだし、
顔色が…。
「でも…」
「大丈夫だって!」
「!」
「ぁ…悪…
本当に大丈夫だから。
な?だから、
心配すんな。」
龍太郎は、
苦しそうな顔で私の頭を撫でた。
頭を撫でた、龍太郎の手が熱かったから、
きっと、熱があるんだろう…。
でも、
休むなんて龍太郎には考えられないんだろうな…。
「じゃあな。早く寝ろよ」
「うん…」
私、
そんなに頼りないのかな…?
もっと甘えていいのに…。
龍太郎の後ろ姿を見ながらそう思った。

